eventTextile Printing International
[ Stoffdruck International ]
概要
ミュンヘンのギャラリーハンドヴェルクで行われるテキスタイルプリンティング展に、手工業組合の依頼により出品いたしました。
この展覧会では、手捺染からシルクスクリーン・さらにプリンターを使ったものまで多様な技法があり、さらに素材も、麻・木綿・絹等、多岐にわたっています。
デザインも伝統的なものから、それを土台とした現代的なものまで出展されており、各国の新・旧多くの染織のしごとを見ることが出来る展示となっています。
ギャラリーについて
「ギャラリー・ハンドヴェルク」(Galerie Handwerk)は、ミュンヘンとオーバーバイエルンの手工業組合が所管しているものです。
造形力の高い作品構成で、国際的な規模の展示を年間7回行っています。
Kunsthandwerk(クンストハンドヴェルク/美術工芸)に特化した展示は、ミュンヘンでも特出しており、美術工芸文化の発展にも大きく寄与するものです。
(展覧会のテーマは、年末恒例のものもありますが、随時、新しいテーマ設定で行われています。出品者は、キュレーターから高評価を得た作家が選ばれています。)
出展者
- Yemi Awosile, GB
- Michael Barta und Studierende der
- Hochschule Hof,Abteilung Münchberg, DE
- Axel Becker, NO
- Cecile Bélmont, FR/AT
- Borderline Fabrics, GB
- Blaudruck Wagner, AT
- Ulrike Ettinger, DE
- Anne Fabricius Møller, DK
- Christopher Farr, GB
- Josef Fromholzer, DE
- Josefine Gilbert unt Miranda Tengs
- Brun,Mijo Studio, DK
- CaitlinHinshelwood, GB
- Ida Carolyn Helland-Hansen, NO
- Michelle House, GB
- Rachael Howard, GB
- Natasha Kerr, GB
- Joanna Kinnersly-Taylor, GB
- Sarah Vajira Lindström, NO
- Anne-Gry Løland, NO
- Gitte Magnus, NO
- Johanna Michel, DE
- 三好染工, 日本
- Birgit Morgenstern, DE
- Adèle Robineau, FR
- Tal Rosenthal, IL/NL
- Louise Sass, DK
- Tuchdruck Jonas & Claußnitzer, DE
- Sepp Wach Seidenhanddrucke, AT
- Fabia Zindel,matrix, CH
- Bettina Zwirner, DE
出展作品
帆掛け船
日本で主に江戸時代頃まで使用された逆三角形の一枚帆の帆船の正面からの姿を柄にしてそれを集合させて全体を構成している。
本品の技法は他の出展作品とは違い、彫り出した輪郭線だけで柄を構成した繊細な表現が特徴的である。
とりわけ京都ではこの表現方法を「地白」と呼び、親しんできた。「地白」とは背景の空白を活かしてデザインされた型紙のことを意味している。
千成瓢箪
モチーフとなっている「瓢箪」とは瓜の一種の実であり、「千成」とは沢山実が成っている状態をさし、豊穣の様子を表している。
また日本の戦国時代の覇者、豊臣秀吉が戦場で自分の目印(馬印)としてこのモチーフを使っており、多くの日本人にとって千成瓢箪は立身出世を想起させる柄である。
この様な柄を一つの柄の半分を線で、もう半分を面で表現して陰影をつけ、さらにそれを菱形にまとめて一つの単位として斜めの市松状に並べることでリズミカルな構成をしている。
孟宗
古い中国の故事(物語)を題材としている。
西暦200年代の中国の孟宗という男性が、自分の病母の好物で春に採れる筍を季節外れの冬に食べさせたいと竹林で探して見つけて母を喜ばせたという話から、日本では親に孝行する例として、またあり得ない事が起こる例えとして知られている。
この柄では竹林の中に「鍬」を持ち、雪をさける「笠」と「簑」を身に付けた人物(孟宗)が筍を探す様子を表現している。
輪つなぎ
輪を重ね、斜めの縞状に並べた柄の部分は彫り残しで構成しており、画面全体に効果的な動きを作り出している。
それ以外の部分は細かな点や一部変化を付けた点で埋め尽くし、輪模様を一層引き立てている。