2010年03月23日
あちらこちらに話がとびますが、誰も手がけなくなったローケツのテクニックの事、心覚えに書いておきます。
昭和30年代の職人さんは、それぞれに工夫して、独自のやりかたを開発されていました。
その一つとしてまずチャンチンを紹介します。
持ち手のさきに小さな口のついた金属の容器をつけてその中の蝋を平均にたらせるようにした道具をチャンチンといいます。
その方はその金属容器のまわりにニクロム線をまきつけて蝋が冷えない工夫をし、さらに枠場の「ころ」に正対してすわって、「ころ」にハンドルをつけて回すことで縞をひけるように工夫されていました。
生地の全面に蝋の縞が入った着尺は、蝋のかぶりも面白くとても味わい深いものでした。