染屋のひとりごと

2011年12月12日

ローケツの技法 その3

 ローで、線描きして、その中に多色の色さしをして柄を表現するのはよくある技法です。
また、それを総てローで伏せて、地色をつける(引染)ことも、よくあることです。

しかしながら、その線描きとロー伏せの間に、ほんの少し(1mm?)のすきまをあけて、伏せる表現方法を考案した職人さんがおられます。
さし色と線のあいだに地色が入るため、さらに柄全体の表現に深みが出る技法です。

これを「ずぼら伏せ」という名前をつけておられました。

2011年05月13日

ローケツの技法 その2

 何の更新もしないまま、1年... あっという間に過ぎ去ってしまいました。
その間に大震災、心よりお見舞い申し上げます。

久しぶりに前回の続きを書いて参ります。

前回、いわゆるチャンチン(ジャワのローケツ技法)でローの縞を作るやり方を紹介しましたが、その職人さんが、やはりローを使って、今度はその縞の中に、シルエットを作っておられました。

それは、

  • 1.まず生地を水で湿らせる

  • 2.その上にローで柄を描く

  • 3.当然、描いたローは水分を含んだ生地の上で、急速に冷えるため生地に浸透しない=生地の上にのった状態、になる

  • 4.その上に前回のローの縞を全体におく〔別に縞でなくても、ロー吹雪でも、ローシケ(別の技法で、また紹介しますが...)何でも〕

  • 5.全体を染めると、ロー描きしたところは、そのローがエンブタの代わりになって縞etc、バックはなく地色そのままに染まる

 ということで、シルエットが作れます。普通の紙やビニールのエンブタと違い、筆のタッチが使えるところが、利点ですが、生地のぬらし具合が簡単ではありません‥

‥職人技です。

2010年03月23日

ローケツの技法 その1

 あちらこちらに話がとびますが、誰も手がけなくなったローケツのテクニックの事、心覚えに書いておきます。

昭和30年代の職人さんは、それぞれに工夫して、独自のやりかたを開発されていました。
その一つとしてまずチャンチンを紹介します。

 持ち手のさきに小さな口のついた金属の容器をつけてその中の蝋を平均にたらせるようにした道具をチャンチンといいます。
その方はその金属容器のまわりにニクロム線をまきつけて蝋が冷えない工夫をし、さらに枠場の「ころ」に正対してすわって、「ころ」にハンドルをつけて回すことで縞をひけるように工夫されていました。
生地の全面に蝋の縞が入った着尺は、蝋のかぶりも面白くとても味わい深いものでした。

2010年02月24日

ここから始まります

「知る者は言わず。言う者は知らず」という老子様の言葉にもかかわらず、この様なことを始めたのは、和装がどんどんすたれてきて、もうすぐにっちもさっちも行かなくなる という危機感にとらわれてのことです。

戦前 型染めから出て加工(手描き)も手がけ、複合加工もいろいろ手がけてきたこの店の技法・柄など少しでも残ってくれればと思っています。